MILLING METHOD 精米について

米を磨く理由

日本酒造りの工程において、最初に行われる精米。おいしい酒を醸し出すために、米の中心部の心白を残しながら、外側に多いタンパク質や脂質など、酒の雑味や異臭のもとになる成分を削る工程です。
一般的な酒造りでは玄米に対して70〜50%以下に削られることが多く、その割合によってタンパク質の量を調整し、求める風味が作り出されます。
日本酒の風味を示す指標の一つが「アミノ酸度」です。旨み成分としても知られるアミノ酸は、米のタンパク質の分解にともなって生じるので、米を削れば削るほどアミノ酸度は低くなります。アミノ酸度が高いと、米特有の芳醇な旨みやコクのある味わいになり、低いと淡麗でスッキリとした味わいになります。
精米によって米をどの程度削っているかを示すのが「精米歩合」です。例えば「精米歩合70%」は、米の表面を30%削り、残った部分が70%という意味になります。
日本酒は「原材料・精米歩合・麹米の割合」によって細かく分類されており、精米歩合に関わる分類では、精米歩合60%以下のものが「吟醸酒」、精米歩合50%以下のものが「大吟醸酒」とされています。

吟醸酒の発展に欠かせなかった動力式精米機

さまざまな種類の日本酒の中でも人気の高い「吟醸酒」が発展した背景には、当社の技術も大きく寄与しています。
古くから日本屈指の酒どころであった兵庫の灘は、急流河川に恵まれていたことから、水車を動力源に高度の精米を行ない、高品質の酒を醸造していました。河川を動力に利用できなかった広島では、人力による足踏み式の精米が主流でしたが、1896(明治29)年に、当社創業者の佐竹利市が、苦心の末に国内初の動力式精米機を発明。その後も改良を重ねて1908(明治41)年に研削式精米機を開発し、吟醸酒に必要な高精白の精米を可能にしました。
吟醸酒が発展し、西条が「日本三大酒どころ」の一つとして知られるようになる過程において、当社の動力式精米機は欠かせないものだったと言われています。