長年、日本酒の造りに関わる研究に携わっていますが、扁平精米はとても革新的な精米方法です。同じ米を使っても、精米方法を変えることで、酒の味や香りが変わるのです。
タンパク質が少ない扁平精米で仕込むと、アミノ酸度の低いお酒になり、すっきりとした味わいになりやすいと言えます。
日本酒には「ふくよかさ」や「コク」などと表現されるさまざまな味わいや香りがありますが、扁平精米のお酒は、そういった風味が少なくなるため、料理の邪魔をしない、食中酒として飲みやすいお酒になります。
もちろん好みは人それぞれ。芳醇で複雑な味わいがお好きな方もいらっしゃいますし、料理によっては重厚なお酒が合うこともあると思います。
お酒選びをする際に、精米歩合を参考にすることがあるように、これからは、精米方法や米の形も、お酒選びの目安の一つになっていくのではないでしょうか。